生放送「神武天皇と山幸彦はなぜ同じ「彦火火出見」なのか?」

次回の放送は令和8年2月22日 10:00からです

番組の趣旨

先日2月11日は「建国記念の日」でした。前日の10日、高市首相は、安倍首相以来、恒例となっている建国記念の日のメッセージを発表し、「日本の誇るべき国柄を未来を担う次の世代へとしっかりと引き継いでいく」と訴えました。そして、「私たち日本人は、長い歴史と固有の文化を誇り、美しい自然を守り、和を尊び、家族や社会が互いに助け合いながら暮らしてきた」と記しました。

『日本書紀』巻第三では、一巻まるごとを使って「神武天皇」による、日本の建国を伝えています。全30巻ある『日本書紀』の第三番目で、一般的に「神武紀」と呼ばれる伝承です。

『日本書紀』巻第一・二は、神代で、最大の特徴は「継起性」で世界が展開し、様々な異伝を併載することで多様な神話世界を構築しています。なお、「継起性」とは、物事が次々と起こること、相次いで現れること、コレがあって、アレがあって、こうなって・・・と言った形で展開していくことです。ここには、「いつ」といった時間の概念は存在しません。

それを承けての『日本書紀』巻第三「神武紀」が、それまでとは決定的に違うのは、時間の概念が導入されること、物語が一本になっていることです。特に時間については重要で、神代であった異伝が無くなり、伝承として一本化されるのも、時間の導入の影響によるもので、具体的には、「神武紀」以降は、編年体(出来事を年代順に書かれたもの)での記載が展開されます。つまり、「神代」から「神武紀」へは、「継起性の世界」から「時間の世界」への大転換が発生するのです。

さらに、「神武紀」の最後は、橿原宮の即位であり、以降は、「人の時代」が続いていきます。その意味で、「神から人へ」、時間の概念の導入を通じて橋渡しの役割を果たしているとも言えるのです。

日本の「神話の時代」を締め括って「人の時代」へ――。しかも、その内容は、日本の建国神話であり、日本最古の英雄譚でもあり、単に「歴史書」としてだけでなく、大変ドラマ性のあふれる構成になっており、物語としても充分に楽しめます。

多大な試練と苦難を経ての日本建国、一人の英雄が国家ビジョンを実現していく、そのプロセスをたっぷりと堪能して戴きたいと思います。それは、現代の私たちにも、多くの学びを与えてくれる内容です。日本神話から学ぶ、「日本の神髄」が、「日本の心」が、ここにあるのです。

私たちの祖先は美しい「やまと言葉」で、神話の時代から私たちの歩みを語り継いできました。いくら、一つ一つの史実や事件に目を向けても日本人の中に宿っている虹のような美質は見えません。私たちは、正しい視線で歴史を見る必要があると思っています。

そこで今回の放送では、神話シリーズの第2弾として、正史『日本書紀』をもとに、最近の文献学的成果も取り入れながら、『日本書紀~神武東征神話を読む』をテーマに、『日本書紀』を分かりやすい現代語訳でお届けしながら、視聴者の皆様とともに、日本の成り立ちを、曇りのないまなざしで、見つめてまいりたいと思います。

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